ハイギョの繭は生きた細胞で、外環境から身を守る Kim 2021年12月20日 2021年12月20日生物, 魚の陸上進化 ハイギョ, 生物, 進化生物学, 陸上進化 ハイギョは最も両生類に近い、現在生きている魚である。 「生きた化石」とも呼ばれ、またその名の通り肺を持つ魚としても知られている。 肺を持つ、ということは空気呼吸が可能であり、陸上で生活できることが知られている。 実際、アフリカや南アメリカに生息するハイギョは陸上で生き延びることができ、乾季になると土… Continue reading
枝が長い系統樹の注意点 – Long Branch Attraction Kim 2021年7月9日 2021年7月9日分子進化(理論), 生物, バイオインフォマティクス バイオインフォマティクス, 進化生物学, 系統樹 分子系統樹を作成する時、特に何も考えずにツールに突っ込んで得られたデータの樹形を見ているということはないだろうか? 系統樹に関する既知の問題点として「Long branch attraction」という現象が古くから(50年くらい前)知られている。ロングブランチアトラクション、の日本語訳はまだ当てら… Continue reading
外鰓とは何か? – 進化的起源と役割 Kim 2021年3月19日 2021年9月28日生物, 魚の陸上進化 進化生物学, 陸上進化, 両生類, 魚類 ウーパールーパーという両生類がいる。英名はアホロートルというのだが、日本では何故か「ウーパールーパー」と名付けられたというかわいそうな(かわいい)生物である。 さて、動物園や水族館、そしてお父さんお母さん世代の人気者であったウーパールーパーの特徴はなんと言ってもその「外鰓」である。あのビラビラした顔… Continue reading
【脊椎動物最大級】魚から両生類への進化を解明? ハイギョのゲノムがついに解読 Kim 2021年1月19日 2021年1月19日生物, 魚の陸上進化 陸上進化, ハイギョ, 両生類, ゲノム, 進化生物学 英時間2021年1月18日にNatureにオーストラリアハイギョのゲノムが解読されたという内容の論文が発表された。 Meyer, A., Schloissnig, S., Franchini, P. et al. Giant lungfish genome elucidates … Continue reading
中立進化説をわかりやすく Kim 2020年11月16日 2021年3月3日分子進化(理論), 生物 進化生物学, 集団遺伝学, 中立進化説 木村資生(きむらもとお)が定式化した分子進化生物学で最も有名かつ基本的な概念、「中立進化説」についてざっくりと一般向けに解説を行う。 分子進化生物学における進化とは? 遺伝子(あるいはゲノム)の塩基配列の変化、というのが進化を最も端的に表す言葉となる。ここでは簡単のため、タンパク質に翻訳される遺伝子… Continue reading
魚と両生類の間 – 現在生きている魚と比較して Kim 2020年9月9日 2020年9月9日生物, 魚の陸上進化 進化生物学, 陸上進化, ポリプテルス 私は魚と両生類の間でどのような進化が起きたのかを研究しているのだが、私と同じような興味を抱いている人間は一般の人にも多く、度々「魚の手足の起源!」「両生類に似た魚!」みたいな話がニュースサイトに取り上げられるたびにTwitterなどで少し話題になったりする。 最近だとNatureに掲載されたR… Continue reading
魚の陸上化で目が大きくなる? Kim 2020年6月15日 2020年6月27日生物, 魚の陸上進化 進化生物学, 陸上進化, ポリプテルス 今から約3億5000万年前、デボン紀の終わり頃に魚が陸上へと進出した。 魚が陸上へと進出するためには様々な準備が必要であった。例えば陸を這うための腕であったり、水の外でも呼吸できるような肺であったり、あるいはリン酸カルシウムからなる重たい鱗を捨てたりする必要があった。 現在、この魚の陸上進出がどのよ… Continue reading
全長3mの巨大ポリプテルス!?-「生きた化石」の全貌に迫る Kim 2020年5月20日 2020年6月27日魚の陸上進化, 生物 進化生物学, 陸上進化, ポリプテルス 「生きた化石」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。最近大人気の任天堂ソフト「あつまれどうぶつの森」ではやはりシーラカンスが一時期人気を博していた。 しかし、しかしだ。 生きた化石はまだこの地球上に結構残っているのだ。「あつまれどうぶつの森」の中で絞ったとしてもシーラカンス以外にも存在する。そう、「ポリ… Continue reading
Springer Nature が無料公開中 – バイオインフォ・進化生物学の教科書厳選3冊! Kim 2020年4月30日 2020年6月27日その他 バイオインフォマティクス, 進化生物学 かのぼったくり出版社がこのご時世を鑑みて一部の教科書を無料公開している。 すべての本の目録についてはここからダウンロードできる バイオインフォ・進化生物学の教科書3選! バイオインフォ・進化生物学の教科書厳選3選! とかいいながら実際には3冊しか無いのでそれだけしか紹介できないのである。 それはとも… Continue reading
氷漬けマンモスのDNAから絶滅した原因を明らかに – 最後のマンモスは花の匂いを嗅げなかった? Kim 2020年3月27日 2020年3月27日生物 進化生物学, 生物学, 集団遺伝学, マンモス 2005年の愛・地球博でユカギルマンモスの展示を見たことがある。「ただ毛が生えたゾウだなあ」くらいにしか思わなかったが、マンモスは現在地球上に一頭も残っていない「過去の生物」である。 多くの文献では人間の狩猟によってその個体数を減らし、絶滅したと考えられている。しかし Wrangel 島にかつて生息… Continue reading