ハイギョの繭は生きた細胞で、外環境から身を守る

ハイギョは最も両生類に近い、現在生きている魚である。 「生きた化石」とも呼ばれ、またその名の通り肺を持つ魚としても知られている。 肺を持つ、ということは空気呼吸が可能であり、陸上で生活できることが知られている。 実際、アフリカや南アメリカに生息するハイギョは陸上で生き延びることができ、乾季になると土…

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ゲノム配列を使って生物全体の系統樹の全貌が明らかに!?~菌類と動植物の意外な関係

全生物のつながりを描く系統樹 系統樹とは「進化の道筋」を人間が見てわかりやすいようにグラフ化したものである。その生物がどの段階で分岐したのか、ということが一目で見てわかる大変便利なものである。 普段研究では「系統樹の推定」は種内、あるいは少し遠くの目レベル、遠くても脊椎動物内、というようにある程度の…

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ウナギやポリプテルスの特殊な鼻!~魚の鼻の穴は計4つ?~

今回の内容は『ポリプテルスやウナギなどの一部の魚における嗅覚器の構造』だ.具体的には鼻管および鼻腔内の水流機構について軽く触れる. 鼻管について ポリプテルスやウナギを飼っている人,もしくは水族館でウツボとかが好きなマニアックな人間なら誰しも一度は「あの鼻」がなんであるのか疑問に思ったことがあるはず…

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なぜ動物の交尾はバックばかり?~魚の妊娠の起源から陸上四肢動物まで~

WordPressでサイトの作成を行っているのだが,「どのような検索がされたのか」というところを眺めていたところ「 なぜ動物はバックばかり? 」という検索履歴を見てしまった 確かに我々人間からしてみれば他の動物の交尾時における体位多様性の無さに疑問を覚えるのかもしれない(ヒトが異常なだけだが) 例え…

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シーラカンスは陸に上がったのか?

はじめに 先日の某学祭においてシーラカンスの解説員を勤めていた. すずかけ台キャンパスの博物館にはこんな感じのシーラカンスの模型(レプリカ)が展示されているのだが,一般客には「すごい」「でかい」となかなかに好評であった. ただパネルをじっくり読むような人でなければ「シーラカンスはでかい魚」で終わりな…

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魚が陸に上がるとき 〜尿素代謝〜

私は魚の陸上適応進化に強い興味を抱いており、今文献を漁っているのでそれの軽いまとめとして先行研究を日本語でまとめておく。 (もし、同じように魚の陸上への適応進化に興味を抱いている学生・研究者の方がいましたら、コメント等お待ちしております) 背景 肺呼吸の獲得 魚が陸に上がるとき、様々な変化が起きたこ…

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オスだってメスを選びたい! – ショウジョウバエの性選択の話

一般的にはメスがオスを選んでいる 一般的に自然界では「メスがオスを選ぶ」といった選択が起きている.よく自然科学番組で派手な格好をしたオスがダンスをしてメスを惹き付ける鳥の話や,メスに贈り物をして気を引こうとするオスのサル,巣を作ってメスを呼び込む魚の話をやっている.そう,一般的にメスの方が繁殖におい…

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【benchling】Webで実験ノートを取るサービスの使い方

 どんな生物系のラボでも実験ノートを取らないというラボはないだろう。  そしておそらく、十中八九紙のノートに頼っている。現にうちのラボがそうである。  ただ、徐々にプロトコルなどはパソコンで作って印刷して……みたいな移行は見られるが、完全にラボノートをパソコンにしたという話は聞かない。  作るとした…

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