脊椎動物最大! ハイギョのゲノム決定 (ハイギョ解説)

オーストラリアハイギョ

2024年10月13日追記: イモリのゲノムについて ハイギョという魚は、通常の魚と同様にエラ呼吸をすることに加え、肺呼吸することができる。我々は肺呼吸しかできないが、祖先をたどると、デボン紀頃、エラ呼吸だけをしていた魚から肺呼吸をする魚が出現した。 現生の魚で肺呼吸を残しているのはハイギョという魚…

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「ゲノム丸ごと」生成できるAI(基盤モデル) Evo

Evo

2024年11月16日 追記: 本論文は Science に掲載されました。OAではなく筆者は読めないので、最新の内容を知りたい方は本文を参照してください。また、本記事はメジャーリビジョンの前のbioRxivのv3に基づいて執筆しています。最近公開されたv4では図が新しくなっているので、もしアクセス…

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DNAの突然変異と量子効果について

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我が地球上の生命の進化の原動力はDNAの点突然変異によるものである。ではその突然変異はどのようにして引き起こされるのだろうか? 高校や学部生の教科書的には「DNA複製時に極めて低い確率で起こる」と書かれているが、直接的な要因について触れているものはない。 DNAの二重らせん構造を発見・提唱したワトソ…

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「最も古い」現生動物は何か?― カイメンとクシクラゲ論争

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 色々と系統樹について勉強していく人はきっと「最も系統樹を遡っていった先にある生物はなんだろう?」と考えるだろう。生物全般についていえば、これはLUCA (The last universal common ancestor)と呼ばれる(仮説上の)生物にあたる。  すべての生物の共通祖先でなくとも、…

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アフリカハイギョのシングルセルトランスクリプトームから魚の陸上適応を明らかにする

Lungfish Estivation

 ハイギョは現生魚類の中で最も陸上脊椎動物(両生類や有羊膜類など)に近い生物である。その名の通り肺を持っている魚である。エラも持っており、エラと肺、両方で呼吸ができる特殊な魚である(他にもポリプテルスなどが同様に肺とエラ両方持っている)。  また、一部のハイギョでは水が干上がった乾季などにおいては泥…

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ポリプテルスの寄生虫、ポリプティの駆除薬

リフィッシュ

研究室で飼育しているポリプテルスにポリプティ(種同定は行っていないが、他の魚への寄生が見られないことから)が発生した。 ネットで調べると「リフィッシュ」が良いとのことでリフィッシュを買おうとしたが2023年現在既に廃盤となり、入手困難である。今回は運良く近所の店に最後の1つがあったが、今は手に入らな…

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2年ぶり再訪! 進化したカワスイ

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以前カワスイ(川崎水族館)のオープン初日に行ったというレビューを書いた。後輩に「めちゃ書くやん」と言われて読み返すとたしかに……。しかも最後に「再訪する」と書きながらもなんやかんやで2年近くが経過してしまっていた。今回再び訪れる機会があったのでレビューをしたいと思う。 オープン初日は長蛇の列→空いて…

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ハイギョの繭は生きた細胞で、外環境から身を守る

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ハイギョは最も両生類に近い、現在生きている魚である。 「生きた化石」とも呼ばれ、またその名の通り肺を持つ魚としても知られている。 肺を持つ、ということは空気呼吸が可能であり、陸上で生活できることが知られている。 実際、アフリカや南アメリカに生息するハイギョは陸上で生き延びることができ、乾季になると土…

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枝が長い系統樹の注意点 – Long Branch Attraction

Lba

分子系統樹を作成する時、特に何も考えずにツールに突っ込んで得られたデータの樹形を見ているということはないだろうか? 系統樹に関する既知の問題点として「Long branch attraction」という現象が古くから(50年くらい前)知られている。ロングブランチアトラクション、の日本語訳はまだ当てら…

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