脊椎動物最大! ハイギョのゲノム決定 (ハイギョ解説)

オーストラリアハイギョ

2024年10月13日追記: イモリのゲノムについて ハイギョという魚は、通常の魚と同様にエラ呼吸をすることに加え、肺呼吸することができる。我々は肺呼吸しかできないが、祖先をたどると、デボン紀頃、エラ呼吸だけをしていた魚から肺呼吸をする魚が出現した。 現生の魚で肺呼吸を残しているのはハイギョという魚…

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アフリカハイギョのシングルセルトランスクリプトームから魚の陸上適応を明らかにする

Lungfish Estivation

 ハイギョは現生魚類の中で最も陸上脊椎動物(両生類や有羊膜類など)に近い生物である。その名の通り肺を持っている魚である。エラも持っており、エラと肺、両方で呼吸ができる特殊な魚である(他にもポリプテルスなどが同様に肺とエラ両方持っている)。  また、一部のハイギョでは水が干上がった乾季などにおいては泥…

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脊椎動物最大ゲノムのハイギョのRNA-seq解析にはどの程度のスペックのパソコンが必要か?

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タイトルの通り。これからハイギョのRNA-seq解析などをしたいという稀有な研究者に向けたメモ。 BLAST 正直BLASTするだけならそこまでスペックはいらない。他のゲノムと比べると時間がかかるが、数コアでも十分可能。 STAR を用いた RNA-seq マッピング RNA-seqでもTrinit…

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ハイギョの繭は生きた細胞で、外環境から身を守る

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ハイギョは最も両生類に近い、現在生きている魚である。 「生きた化石」とも呼ばれ、またその名の通り肺を持つ魚としても知られている。 肺を持つ、ということは空気呼吸が可能であり、陸上で生活できることが知られている。 実際、アフリカや南アメリカに生息するハイギョは陸上で生き延びることができ、乾季になると土…

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【速報】ポリプテルスとアフリカハイギョのゲノム解読

ポリプテルスセネガルス

ポリプテルスゲノム 2021年2月4日付で、Cell誌にポリプテルス・セネガルス、アリゲーターガー、ヘラチョウザメ、アミア・カルヴァなどのいわゆる「下位条鰭類」「古代魚」のゲノムが解読されたという論文が掲載された。 Tracing the genetic footprints of vertebra…

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手足は切っても再生する? – 四肢再生機構の起源に迫る

アイキャッチ

2020/05/28 ポリプテルスのヒレ再生機構遺伝子に関する記述を追記 イモリの四肢は切断されても再生する 高校生物などで「イモリ」の手足やしっぽを切除するとしばらくして再生する,といった記載を教科書などで見たことがないだろうか. 実際にイモリやサンショウウオの手足を切断すると再生することが,多く…

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魚が陸に上がるとき 〜最初は口で空気を吸わなかった?〜

Polypterus Spiracle

魚陸上化関連記事 シーラカンスは陸に上がったのか? 魚が陸に上がるとき 〜尿素代謝〜 古代の魚の呼吸事情 古代、デボン紀あたりの魚は低酸素の水の中でも生きられるように肺を獲得してきたと言われている。 今、私たちヒトは口と鼻で空気を吸うことができ、基本的に陸上四肢動物においては口を通じて主に呼吸を行っ…

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