2021/06/11追記:次世代研究者挑戦的研究プログラムについて
学振DCの募集要項も出たことで、博士課程進学界隈は盛り上がっているようだが、新しい博士課程支援制度についても話が着々と進んでいる。
今回はその新しく公開された情報をもとに要点をまとめたい。
新しい博士課程支援制度はいつからか?
令和3年3月から令和10年3月までである。現在令和3年2月だが、今年度は準備期間とし、来年度、令和3年4月の時点で博士課程に在籍かつ30歳未満の学生が対象となる。研修制度がある医学部は例外がある。
それで、7年この事業が続くわけだが、7年で予算支援はスパッと切られるようだ。その後は大学が独自の財源でこの支援制度を続けろというメチャクチャな内容となっている。今17歳で博士課程進学を考えている諸氏については残念だが未来の官僚に乞うご期待といったところだろう。
ちなみに既に公募は終了し、対象となる大学は決まっている(全ての大学が対象ではない)。3月1日に事業開始となり、おそらく大学のホームページか何かに掲示がされると思われるので要チェックである。
対象は結局どんな分野なのか?
前回の記事では”先進分野”だとか”革新性”だとかそんなんが対象になると述べていたが、それは変更されていない。
以下の分野が今回の支援の対象となる。
- 大学の強みや地域の強み等を活用したイノベーションの創出等が見込まれる人文・社会科学を含む幅広い分野
- 情報・AI
- 量子
- マテリアル
お偉方が好きそうだよなァって感じの文字が並んでいるが、もうこれはどうしようもない。この分野の人々、民間企業からも共同研究とか奨学金とか色々あるのにこれ以上支援する必要ある???? 上記に含まれる方は大学からの情報を要チェック。そうでない方はもうすぐにでも学振申請書に取り組もう。
これも大学によって採択される、されないが分野ごとにあるので要注意。
あと社会人博士と学振特別研究員DC、国費留学生等は対象外。
支援金額は?
1人当たり200~250万円/年である。生活支援金が180万円以上、それに研究費が加わってそのあたりに収まるようになるようだ。
これは奨学金(非課税)ではなく、給与(課税対象)として扱われる。
研究費が含まれて最大250万となると、学振でいうところの生活費相当240万+研究費最大150万(実験系)=390万円と比べるとある程度差別化はされている様子。学振取って「あっちができるなんて、しかも4月からなんてズルいじゃん」ってイライラしている人も溜飲を下げることだろう。
ちなみに学費免除と組み合わさるかどうかは不明。この250万の1/3は大学側が費用を捻出しなければならないので、「生活費180万! だけど学費はちゃんと払ってね~~~!!!!!!!!!!」とかいうことをしそうである。
採用人数と審査
採用人数は上記リストの各項目ごと上限40名、下限6名である。これはもう大学の規模、学科の規模に拠るのではないだろうか。
学振みたいに全国規模でガチンコ勝負~~みたいな感じではないので大学によっては通りやすかったり、逆にガチンコのやつしかいなかったりして通りにくかったりするだろう。JASSOの返還免除と同じ。
審査については「各大学の規定による」という丸投げ。これはもう各大学によるとしか書けない。対策も何もない。
さいごに
色々と言われている新しい博士課程支援制度だが、早くも来年度4月から始動するというのはスピード感があって良いと感じた。その反面大学への負担は金銭的のみならず事務的負担も高まっており、これに申請した/できた大学がどれだけあったのだろうかと思うところはある。
まだ他にも支援制度はあるらしいので、情報を待つべし。
採択大学院一覧
2021/02/27 追記
同志社大学、東京理科大学、立命館大学を除き国公立大学が大半を占めている。
弊学はえーあいしかやんないのか……。
次世代研究者挑戦的研究プログラム
2021/06/11追記
次世代研究者挑戦的研究プログラムの要項が掲載されました。
https://www.jst.go.jp/jisedai/dl/application-guideline-2021.pdf
生活費として最低180万円は最低もらえるようす。今回は新入生が対象ではなく、D1-4が対象。ただしD4はオーバードクターではなく、医学博士の課程の場合。
上記のものと異なり、分野は限定されない。
もちろん学振や上記のようなフェローシップとの重複受給は不可となっている。
また、これもまた大学が申請を出すという形なのでこのプログラムをやる大学・やらない大学が出てきて格差が広がるものと予想される。