○○ブロット(ブロッティング)まとめ

 年末年始で帰省していた時に○○ブロットの話題になった.
 自分でもはっきり理解していない気がしたので備忘録としてここに記しておく.
サザンブロッティング(サザンブロット)
DNAを同定する手法の1つである.
まずゲル電気泳動でDNA断片を長さによって分ける.これによって塩基対数に応じてゲル上にスポットが現れる.
このゲルを強塩基の溶液に浸しながら膜に接触させ,毛細管現象によって,変性して1本鎖になったDNAを膜に写し取る.
その後紫外線もしくは煮沸によって固定を行う.
固定を行った後,今度は同定を行うのだが,確認したい目的の塩基配列に相補的な一本鎖を用意し,それに標識を加える.
その一本鎖と膜上のDNAがハイブリッド形成を行うと二本鎖が生じる.そして付加した標識を確認すると目的の配列が存在するかどうかを確認・同定することができる.
ノーザンブロッティング(ノーザンブロット)
RNAを検出する手法の1つである.
サザンブロットと同じようにゲルでRNAを電気泳動し,膜に移した後標識を付加した一本鎖で検出を行う.この一本鎖はDNA,RNA,オリゴヌクレオチドが使われる.
これは配列を調べるものではなく,RNAの量,サイズを検出するというものである.
しょーもない話だが,サザンブロッティングは考案者の名前を取ったものであるが,ノーザンブロットはサザン(Southern・南の)にかけてnorthern・北,という名前をつけているのである.
察しのいい読者ならば次に何が来るか大抵予想はつくと思う.
ウェスタンブロッティング(ウエスタンブロット)
タンパク質を検出する手法の1つである.
まずタンパク質が立体構造を持っていると適切に泳動が出来ないことがあるため,SDSや2-メルカプトエタノールを加えたバッファーに溶かして立体構造を破壊・さらに陰性に荷電させる.
それからはおなじみゲルで泳動を行って分離する.これは分子量によって分離がなされる.
ここまではSDS-PAGEと呼ばれ,よく分子量を測定するのに使われる.
ウエスタンブロッティングはさらにこの分離を行ったゲルを膜(ニトロセルロース等)に移し,免疫染色を行うことでタンパク質を検出する.
この抗体によってタンパク質の修飾なども見ることができる.
次は「イースタンブロッティング」だと思う方もいるかもしれないが……それはない.
サウスウエスタンブロッティング(サウスウエスタンブロット)
サザンブロッティングとウェスタンブロッティングのあわせ技のようなもので,ゲルで分離したタンパク質を膜に移し,このタンパク質に対してDNA断片を結合させることで特定の配列に結合するものを探す,というものである.

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