手足は切っても再生する? – 四肢再生機構の起源に迫る

2020/05/28 ポリプテルスのヒレ再生機構遺伝子に関する記述を追記 イモリの四肢は切断されても再生する 高校生物などで「イモリ」の手足やしっぽを切除するとしばらくして再生する,といった記載を教科書などで見たことがないだろうか. 実際にイモリやサンショウウオの手足を切断すると再生することが,多く…

Continue reading

なぜ近親交配が禁じられるのか? – 近交係数の計算

2020/10/15 不適当な説明を修正2020/11/16 微妙な表現を修正 はじめに(人間のはなし) 日本に関わらず世界において,近親相姦・近親婚はタブー視されている. 例えば日本では,近親相姦や近親間での事実婚は法律上阻害されるようなことはないが,婚姻届を出すことができない.親子,きょうだい,…

Continue reading

ウナギやポリプテルスの特殊な鼻!~魚の鼻の穴は計4つ?~

今回の内容は『ポリプテルスやウナギなどの一部の魚における嗅覚器の構造』だ.具体的には鼻管および鼻腔内の水流機構について軽く触れる. 鼻管について ポリプテルスやウナギを飼っている人,もしくは水族館でウツボとかが好きなマニアックな人間なら誰しも一度は「あの鼻」がなんであるのか疑問に思ったことがあるはず…

Continue reading

なぜ動物の交尾はバックばかり?~魚の妊娠の起源から陸上四肢動物まで~

WordPressでサイトの作成を行っているのだが,「どのような検索がされたのか」というところを眺めていたところ「 なぜ動物はバックばかり? 」という検索履歴を見てしまった 確かに我々人間からしてみれば他の動物の交尾時における体位多様性の無さに疑問を覚えるのかもしれない(ヒトが異常なだけだが) 例え…

Continue reading

ケラチンの進化が陸上生活を可能にさせた?

「ケラチン」と聞いて何を思い浮かべるだろうか. 聞いたことがある,という人はおそらく髪の毛や爪を想像するだろう. その通り髪の毛や爪に含まれる「細胞骨格」の一種,中間径フィラメントであるケラチンは進化的にも非常に面白いタンパク質である. あんまり一般的に馴染みがないのか,髪の毛の成分であるにもかかわ…

Continue reading

ポリプテルスの飼い方

ポリプテルスが今密かにアクアリストの中でブームになっています. ポリプテルスが「発見(記載)」されたのはかのナポレオンの時代 ナポレオンがエジプト遠征に行ったときにキュビエがポリプテルスを持ち帰り,新種として記載されたことが人類の文献におけるポリプテルスの最初の登場です.2019年現在でもポリプテル…

Continue reading

魚が陸に上がるとき 〜最初は口で空気を吸わなかった?〜

魚陸上化関連記事 シーラカンスは陸に上がったのか? 魚が陸に上がるとき 〜尿素代謝〜 古代の魚の呼吸事情 古代、デボン紀あたりの魚は低酸素の水の中でも生きられるように肺を獲得してきたと言われている。 今、私たちヒトは口と鼻で空気を吸うことができ、基本的に陸上四肢動物においては口を通じて主に呼吸を行っ…

Continue reading

シーラカンスは陸に上がったのか?

はじめに 先日の某学祭においてシーラカンスの解説員を勤めていた. すずかけ台キャンパスの博物館にはこんな感じのシーラカンスの模型(レプリカ)が展示されているのだが,一般客には「すごい」「でかい」となかなかに好評であった. ただパネルをじっくり読むような人でなければ「シーラカンスはでかい魚」で終わりな…

Continue reading