ポリプテルスの飼い方

ポリプテルスが今密かにアクアリストの中でブームになっています.

ポリプテルス・セネガルス

ポリプテルスが「発見(記載)」されたのはかのナポレオンの時代

ナポレオンがエジプト遠征に行ったときにキュビエがポリプテルスを持ち帰り,新種として記載されたことが人類の文献におけるポリプテルスの最初の登場です.2019年現在でもポリプテルス・セネガルスを用いた研究では記載者のキュビエの名前がともに掲載されます.

――とうんちくを語りだすときりがないので,今回はポリプテルスの飼育方法(飼い方)について書いていこうと思います.

著者は中学生の頃にポリプテルス・セネガルスを飼育し始めてからかれこれ10年近くずっとポリプテルス・セネガルスを飼育しています.基本的にセネガルスのみですが,一応ポリプテルスデルヘッジも飼育しています.

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ポリプテルスは60cm水槽で飼育できるのか?

多くの「ポリプテルスを飼いたい」人がこの疑問を抱いてこのページを訪れる気がしているのですが,結論から言うと「小型種であるポリプテルス・セネガルスやポリプテルス・デルヘッジは可能」です.

ポリプテルス・セネガルスは最大でも飼育環境下では30cmほどにしかなりません.そして基本的に飼育環境下では20cm程度で成長が止まってしまいます.もし大きく育てたいというのであれば90cm以上の水槽がおすすめです.

60cm水槽で終生飼育を行うのであれば,せいぜい3匹程度に抑えておくのが無難だと思います.

ろ過装置は何がいいのか?

ポリプテルスを飼育する上で重要となるのがろ過装置.ポリプテルスは肉食であり更に大食いであるため,非常に水を汚します.

そのためろ過装置もある程度余裕があるほうがいいでしょう.

外部式フィルターをずっと使用してきていますが,基本的に外部式フィルターのような容積の大きいものであればまず問題ないと思います.

「安いから」という理由でテトラのEX POWER VX-75 をずっと使用していますが,問題なく使用できています.ただおすすめはエーハイムですね.ろ材のほうで信頼と実績があります.テトラの付属ろ材はいまいちな感じがしたのでエーハイムのものを入れています.

また,上部式フィルターもおすすめで,掃除を頻繁にしなければならないためメンテがしやすいという利点があります.

上部式フィルターの中でのおすすめは今までいろいろ使ってきましたがやっぱりGEXのグランデカスタム600.これは60cm水槽専用ですが,普通の上部式フィルターと異なり更にもう一段追加してあるタイプです.非常にろ過容積が大きいのに加え,水が空気に触れる機会が多いのでバクテリアの繁殖や水中溶存酸素の増加に繋がります.

(ただAmazonレビューを見ると割れが多いということですので,実店舗での購入をおすすめします)

これにエーハイムのサブストラットプロやリングろ材を詰めてやることでかなりのろ過能力が期待できます.

おすすめできないものとしては「外掛けフィルター」「底面フィルター」「スポンジフィルター」「投げ込み式フィルター」等で,メーカー純正品でまるごとろ材を取り替えないといけないものだったりするとコストがかさむのに加え,せっかく増やした濾過バクテリアも一緒に捨ててしまうことになるからです.

最近はセット品で外掛けフィルターがついてくることが非常に多くなってきましたが,多くの魚の飼育にあまり適さないので長期飼育を考えている人はやめておくほうが無難でしょう.手軽ですけど.

オーバーフロー水槽を……って考えているような人は(これを見ているとはあんまり思えないですが)水槽の底はベアタンクかごく少量の砂にすべきだと考えています.結構フンの量が多いので掃除が大変です.

餌は何を食べるのか?

ポリプテルスは肉食です.ただ国内で流通しているセネガルスを始めとする多くの(一般向け)ポリプテルスは人工飼料に餌付けされていることが多く,キョーリンなどから発売されている餌を問題なく食べます.

餌もいろいろ試してきましたが,キョーリンの”ひかりクレストキャット”は食いつきは抜群にいいですがいかんせん水を汚します.

おすすめはコメット 古代魚 大型魚専用フードです.

よく食べてくれますし,崩れにくいので水もあまり汚しません.ただ基本的に多くの人工飼料を食べてくれることが多いので手に入りやすさなどから選ぶのがいいでしょう.ショップで与えている餌を訊いてそれを買うのが一番確実です.

また,メダカや小赤といった小型の生きた魚や赤虫といったものもよく食べます.こちらはより「肉食魚」としての側面を観察する上で非常に楽しい餌です.ただ一度にいっぱい買ってきて入れすぎると当然その魚たちもフンをするわけですから水が早く汚れることもお忘れなく……

コオロギも食べますが,変な体液が飛び散ったりして水の汚れが早いように感じますのであまりおすすめしません.

基本的に非常に丈夫な魚

ポリプテルスは基本的に非常に丈夫な魚で病気に滅多にかかりません.

肺呼吸をするために低酸素濃度の水,および高二酸化炭素の水であっても生きることができます.

魚が陸に上がるとき 〜最初は口で空気を吸わなかった?〜

しかし飼ってきていて一番の死因は「飛び出し」です.いくら肺呼吸ができるといっても乾燥には耐えられません.飛び出しの防止を最優先にし,ガラス蓋を必ず閉め,穴も塞いでおきましょう.

ポリプテルスとは系統学的に少し離れていますが,ロープフィッシュ(アミメウナギ)もポリプテルスと似たような魚で飼育方法もほぼ同じで大丈夫です.しかし飛び出しに関してはポリプテルスよりも注意したほうがいいでしょう.

最後に

広めの水槽,十分なろ過装置,肉食中心の餌,飛び出しに注意

これらの基本を抑えればとりあえずポリプテルスを飼育することはできます.

大きく育てたい,体色を綺麗に出したい,繁殖させたい,とかになってくると餌をいろいろ変えたり,ガーネットサンドを敷いてみたり,水質に気を使ったりといろいろ方法がありますが,ネットや書籍に情報が多く載っているのでそちらを参照してみてください.

1件のコメント

  1. ピンバック:ポリプテルスを陸上で飼育する方法 - Kim Biology & Informatics

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