神戸・異人館~明石への旅

京都に来たのはまあ以前の記事にもあったとおりいろいろな複雑な要因があったわけだが,「観光をしたい」というのも大きかった.特に京都は歴史上非常に重要な都市であったため,日本史選択であった私は変なあこがれを抱いていた.

京都自体はまあまあ回ったが,どこもかしこも人ばっかりでこれでは仏像を見に来たのか人を見に来たのかわからないという気持ちにさえなり,結局2回生を過ぎる頃にはもうどこにも行かなくなっていた.

それで,今になって若干それを後悔しつついろいろと近畿を回っているのだが,ちょっと遠くて足を伸ばせていなかった「神戸」に行ってみることにした.卒業旅行ということで,大学で唯一とも言ってもいい親しい友人と共に.

神戸までは片道約2時間,料金は1,000円もかからない.奈良まで1,000円以上かかるのだから,これは近鉄が高いのもあるが,結構安いと思った.距離に対して相当安い.

当日朝はやっぱり遅刻癖のある友人は遅れてきて,予定よりも若干遅れて出発.ぼんやりと京都の外れの景色を眺めながら徐々に緑が増えてきていることを感じていた.

河原町から乗り,十三で乗り換え.それで神戸に着くというわけだ.阪急は名前にある通りやっぱり速い.

神戸ポートタワー付近へ

神戸についたのが11時より少し前くらいだった.昼食にするには少し早いということでポートタワーのある港の方へと向かうことにした.市内循環バスが走っているのだが,特別捕まえることもなく,ぼんやりと歩いていくことにした.

市内循環バス

神戸は思っていたよりも人が少なかった.日曜日に行ったのだから,京都のような人混みを想像していた.

街なかにはいたるところに古い建物のようなものが建っており,他の”街”とは一味違った雰囲気を醸し出していた.

こんな感じで旧居留地が今はシアターやモールとして使用されている
神戸で最初のアメリカ領事館

とりあえず南の方に向かっていくと,広場のようなところに出た.

港って感じがして気持ちがいい.だがしかしそこにあったのはスターバックスコーヒー.いかにもメリケンって感じだが,なんていうか,ここまできてスタバかあという気持ちにさえもなった.

こちらはポートタワー.手前のは海洋博物館の建物の一部.両方特別行くこともなく外から眺めただけだった.

何故かその日は和歌山の産業イベントのようなものをやっており,林業体験のようなものをやっていた.人は少なかったが,落ち着いた雰囲気の広場であった.

南京町・中華街へ

次は昼ごはんを食べるべく,南京町へと足を運んだ.ここは中華街として知られており,いろいろな店が所狭しと並んでいる.

ここはかなり人がおり,客引きも活発で活気のある区画であった.事前情報として,広場の向かいにある小籠包が美味しいと聞いていたので,とりあえずそこを目指して小籠包を手に入れた.

事前情報の通り,本当に美味しい小籠包であった.とろっとした食感で中は肉汁でいっぱいだ.少しかじると溢れ出してくるので一口で食べなければならない.熱いので少し冷ましてから頬張った.

しばらく南京町をさまよったあと,座って落ち着いて食べれる店がいいということで客引きに引かれるまま980円くらいの中華料理店へ.メニューを見るとランチのその飲茶(ヤムチャ)セット以外は2000~8000円とだいぶお高めの中華料理店といった具合だ.私は美味しい杏仁豆腐を期待してデザートに杏仁豆腐を選び,待つこと2分ほど,すぐに料理が出てきた.予め作り置きしておいたのだろう.

こんな感じのがぱぱっと運ばれてきた.続くチャーハンは流石に少し時間がかかったが.

味としては先程の小籠包と比べ物にならないくらい美味しいとは言えないものであった.まあ980円なので仕方がないかあと思いつつも,食べ終えた.

で,許せなかったのがデザートの杏仁豆腐である.私は手作りの美味しい杏仁豆腐が出てくるものだと思っていたのだが,寒天で固めたようなあの白いだけのゼリーみたいなやつが出てきて心底がっかりしたものだ.杏仁豆腐だけでもどこかできちんとしたものが食べたいと屋台をさまようも,杏仁豆腐を扱っている店はなく,結局泣く泣く南京町をあとにしたのだった…….

生田神社へ

腹を満たし,今度は駅の北側へと向かっていく.途中喫茶店を多く目にし,そういえばネットで喫茶店巡りのような記事がいっぱいあったなあとぼんやりと思った.友人は無類のコーヒー好きであるのでどこか寄ってもいいかなと思いながらもとりあえず異人館周辺を見て回ろうということで坂を登る.

途中神社にぶち当たり,見てみようということでとりあえず参詣した.

こういう丹塗りが私は大好きで,この朱色と常緑樹の緑のコントラストが最高に”クる”ものがある.その日は空も青かったのでもう言うことはない.

心ゆくまで堪能したいところだが,このあとの行程もあるのでいそいそと神社をあとにした.

異人館周辺へ

ローソンもちょっとおしゃれ

その日は結構な陽気で,道中暑くなってきてしまった.うっすらと汗を額に浮かべながらなんとか異人館周辺へとたどり着いた.

このように異人館を改装してカフェに使っているものもあった.これはスタバだが(なんでスタバなんだよ).

風見鶏の館

風見鶏の館(ドイツ人貿易商の家)の階段で油絵を売っている画家がいて,その油絵にすごく心を惹かれたのが今でも忘れれない.鮮やかな色彩と美しい構図が素晴らしかった.ちょっと6000円と高く感じたが,買わなかったのを少し,いやだいぶ今後悔している.

風見鶏の館を抜けると今度は北野天満神社があった.神社自体は別に普通の神社なので特筆すべきことはないが,その奥にある梅園が気になり,入場料100円を支払って入った.

そこはさらに高い場所にあり,神戸の港を見下ろすことができた.今はやっぱりだいぶ大きなビルが建ってしまっているせいで海まではっきり見ることはできなかった.

梅園は,先日の大阪万博記念公園で苦い思いをしたのでどうかと若干不安ではあったが,まあ咲いているには咲いていた.

有名な和歌の石碑も

藤棚やあじさいもあったのでこれからの季節もしばらく楽しめそうである.

風見鶏の館を出て,ブラブラと散策しているうちに,友人が「展望台」の文字に惹かれて細い路地へ足を踏み入れた.急斜面であったが,まあどんな景色か気になったので行ってみることに.

ここから新神戸駅へとつながっているらしく,行こうと思えばといった感じだった.行きたくはないが.

展望台からの景色は先程の北野天満神社とは明らかに違ってかなり広く見渡せるものであった.彼曰く,「苦労したものだけが見ることができる景色」とのこと.まあ確かに綺麗だった.

その後はにしむらコーヒーで一服した.

明石城跡へ

次は「明石焼きを食べる」という目的の元,明石城跡へ行くことにした.JRで15分ほどであった.ついてホームに降り立つとすぐに城跡が見えた.

残っているのは櫓(やぐら)だけで他は石垣くらいしか残っていない.その日はなにかイベントがあったらしく,いろんな屋台が片付けをしていた.「タコ釣り」なる屋台に少し心が惹かれたが.

こちらも梅の花が咲いていた.城(櫓)とよくマッチしている.

こちらが櫓.中は行ったときは公開されておらず,団体のみ見れるようだった.

櫓の向こうには薄っすらと明石海峡大橋が見える.

夕暮れ時だが,もうだいぶ歩き疲れたということもあり少しだけ海を見ようということで海の方角へと足を運んだ.

明石の染土

何やら砂の山を見つけた.特別疑問にも思わなかったのだが,「染土」と書かれていることに気づく.調べてみると,畳の原料のい草をこの染土を溶かした水につけることで色合いをつけ,退色を防ぎ,独特の匂いをつけるそうだ.天然のものとして明石の特産品であるらしい.なるほど.

その後はお待ちかねの明石焼き――と行きたいが,若干まだ昼がお腹に残っており,いけるかどうかって具合.とりあえず彼は早く神戸に戻って古本屋を覗きたい様子だったので予定していた明石焼きの店に.

店は明石焼きだ.私はまだ明石焼きを食べたことがないのでどんなものか期待していた.店に入るとゴ限定のウイスキーがあるではないか……! ということでそれも注文.どうせあかしウイスキーのラベルだけ変えたやつだろうけど,あかしウイスキー好きだし.あまり注文が無いようで値段を奥の店主に聞きに行っていた.

明石焼きができるまでの間,漢字クイズを解いた.店内には数百の漢字が壁に並んでおり,これら全てを正解すると一年間食べ放題券がもらえるらしい.とてもじゃないがわからない.10問程度の紙を渡され,6問正解で5%引き,8問で10%,全問正解で20%割引だ.友人に解かせたところ,7問正解.

明石焼きは本当に「卵焼き」といった感じだった.ふわふわとだし巻き卵にタコを入れてさらにだしをつけて食べるといった感じ.たこ焼きとは全く別の食べ物だが,これはこれで美味しいと思う.

ウイスキーと10個の明石焼きを胃袋に収め,店をあとにした.

彼と神戸三宮駅付近のブックオフで解散し,私は一人夜の中華街へ.

夜は夜で別の意味で素晴らしい景色だった.

昼食べれなかった角煮まんじゅうを食べて,終わり.

さよなら神戸,楽しかった,美味しかった.

1件のコメント

  1. ピンバック:奈良・明日香村への旅 – Kim Biology and Informatics

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