ふと思い立って今日放置していたEOS 6Dを持って嵯峨嵐山へ。
JR嵯峨嵐山駅を降りて、ある方向へと向かう。
平日にもかかわらず観光客は多く、その多くは外国人であった。
こういった風情のある茶屋を過ぎ、
台風の爪痕が残る鳥居をすぎる頃には
ずいぶんと観光客の姿が減っていた。
ここも風情のある通りであるが、人は大変少ない。
嵯峨野は昔来たことがあるが、昔と変わらずゆっくりとした時間が流れていた。
更に進むと茅葺屋根の家が見えてきて、いよいよ観光地とはちょっとずれた別世界にやってきた感じがした。
奥の奥、この通りの終点にたどり着いて、ようやく今回の目的――京都一周トレイルの一部である嵯峨野から保津峡へのハイキングコースのスタート地点へとたどり着いた。
一歩本通りから外れて山に足を踏み入れると、体感温度が5℃くらい下がった。
細い道路を登って、ようやく峠へ。すれ違う人は結構しっかりとした格好をしたいわゆる京都一周トレイラーであった(知らんけど)。
この峠の先は広大な景色が広がっている――というわけではなく、木々の隙間から赤く染まった山々を垣間見ることができる、といった程度であった。
ただ私の目的はそれではない。
保津川である。
この川を見たかったのだ。
昨日ぼーっとしていたら降りるべき嵯峨嵐山駅を過ぎて亀岡まで(特急だったため)行ってしまい、その途中にこの保津川が見えたのだ。その時その景色に心を奪われ、行こうと決心したのである。
もちろん保津川下りをしている船も何隻も見かけた。
私も一度はしてみたいが、かなり高額であるとのこと。学生の身分でそれはしんどい。
京都一周トレイルの道は舗装はされているも結構勾配がきつかった。同じく京都一周トレイルの比叡山ルートよりかはまあマシであったが。
トロッコや嵯峨野線も景色にマッチしていてなかなか楽しかった。
特にトロッコの駅メロはどこか平成初期の懐かしささえ覚えた(お前何歳だよ)。
よく保津峡スタートのハイキングコースの目印となる赤い橋を経て、JR保津峡駅。
ハイキングクラブのような老人の集団に出くわしたりした。
直前で電車に乗り損ね、がっかりしながらぼんやりとホームを見渡すと何やら反対側のホームでみんな一眼レフを橋の向こう側に向けているではないか。
次の電車まで30分以上あるため、暇つぶしにとそちらに渡ってみると見事な景色。
もしかしてと思い時刻表を見ると、トロッコがもうじきやってくるようだった。
私も彼らに倣ってカメラを構えてトロッコを待つ。
その前に保津川下りの船がやってきて――
そしてトロッコがやってきた。
見事に紅葉に映える赤の車体。
青の川。
十分満喫した一日であった。