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卒論・修論作成に必須! Mendeley を使った参考文献リストの作り方

卒論・修論の季節真っ盛り。私が所属している研究室では「えっ? こんなに先輩引用文献書いてる!」「私引用文献20個超えたよ!」みたいな会話が飛び交う。引用文献の数で競ってもどうしようもないが、引用文献の無い論文は学術論文ではないし、引用文献が少ない論文は本当に先行研究を当たったのか怪しく思われる。

引用文献・参考文献というものをわざわざ作って論文の末尾にそれを附すのには意味がある。これまで我々人類が長い年月をかけて積み重ねてきた知見をきちっと踏まえた上で今回の論文では一体どの部分が新しく、そして独創的であるのかということをきちんと示す必要があるからだ。『巨人の肩の上に立つ』という言葉を聞いたことがあると思うが、先人の知見の積み重ねによってこれまで科学は発展し続けた。我々がより遠く、新たな領域を見るためにはそれらが必須であったことは間違いない。

前置きはさておいて、今回はMendeleyを用いた参考文献・引用文献の管理方法と卒論・修論をWordで作成する際にどういった使い方をすればよいかということを解説する。残念ながら一部の理学系・数物系でTeXを使用している方は今回お引取いただきたい……。また、今回はWindows 10での環境を想定している。mac版は書きません(mac無いので)。とはいえだいたい同じである。Linux版も挙動がたまにおかしくなるが普通に動く。

Mendeleyを導入しよう

Mendeleyとは文献管理ソフトのことである。文献管理ソフトとしては日本国内ではEndnoteなどシェアウェア(有料ソフト)を使っていたという話をよく聞く。Mendeleyは完全無料で使うことができるが、かのエルゼビアが開発元なのでおすすめ(メールなどによるSuggest機能がある)論文などのバイアスには気をつけたほうが良さそうだ[要出典]。

無料で使うことはできるが、容量制限が一応あり、2GBである。ただPDFのサイズなんてしれているのでそこまで卒論・修論で終える人は気にする必要はない。一生やってく人はそれなりに容量が必要となる場合があるが、大学自体が契約している場合は「機関版」を使うことができ、100GBのプランが用意されている。残念ながら東工大にはない(はーーーつっかえ、学費10万円も値上げしておいて何に使ってんだ)。ただ、個人単位で契約・サブスクライブすることができ、無制限プランも存在するhttps://www.mendeley.com/settings/upgrade/ (昔はなかったはずなのに) 月単位で課金できるので、もし大量に文献を管理するので困っている場合は考えてみてはいかがだろうか。

さて、Mendeleyを導入すべき箇所は2つある。ひとつは卒論・修論を書くパソコンに。もうひとつはWebブラウザ(Chrome)にだ。

Mendeleyの使用にはアカウント登録が必要だが、別にそんなに難しくない。最初にログインする際に作ることができる。

Mendeley Desktop版の導入

https://www.mendeley.com/download-desktop/

こちらからMendeleyのデスクトップ版をダウンロードする。そしてインストール。Web版とは異なり、デスクトップ版はローカルにPDFのデータを保存しているので、あまりにも文献数が多いと容量を圧迫する可能性があるので注意。ただ無料版はそもそも容量制限が2GBなのでそこまでいかないはずである。

こちらもインストールし終えたらログインしておく。

最初のログインのあとにこのような画面が表示されるはずである。

初回Mendeley起動時の画面

このような画面が出たら右側のMicrosoft Word のプラグインの追加を行っておく。Install now をクリックすると自動で全部インストールしてくれる。

Mendeley Web Importer の導入

MendeleyにはChrome拡張があり、それをインストールすることでWebブラウザでジャーナル・Articlesを読みながらそれを随時追加していくことができる。

https://chrome.google.com/webstore/detail/mendeley-web-importer/dagcmkpagjlhakfdhnbomgmjdpkdklff

ただ、こういった追加というものは、本来はこんな提出ギリギリの土壇場でやることではない。日頃先行研究を調べたり、ジャーナルを読んだり、研究計画書、申請書等々を書く段階で追加していき、最後の論文を書く段階で整理する。今これを読んでいるB3、あるいはM1の学生らは計画的に参考文献を整理しておこう。

参考文献を探す

このWeb ImporterはもしPDFが可能ならばPDFもダウンロードしてくれる機能がある。これは100%必ずダウンロードできるわけではないが、リファレンスはPDFからインポートするよりも確実に正確な情報を入力してくれる。そのため、できる限りWeb inporterで入力し、必要なPDFがダウンロードできない場合のみ手動でPDFを追加する、といった形が良いだろう。

参考文献の探し方については様々な分野において様々な方法があるので一概に言うことはできない。基礎生物学関連について話を絞ると、基本的にすべて英語の文献をあたる他ない。というのもこの分野では国際的に認められているジャーナル(科学雑誌のこと)でないと(主要な)業績にならないからだ。査読付きの雑誌を通して発表されたものに重きが置かれているため、基本的に大事な論文はたとえ日本人が著者であっても英語で発表される。

ただ、たまに日本の学会の雑誌や紀要、もしくは本として研究内容を掲載をする人がいるので、それをまずあたってそこで内容を理解し、そのリファレンス(参考文献)をあたっていく、というやり方も良い方法だと思う。

最近の主流は専ら「Google scholar」での検索だ。これにキーワードを入れて探したい論文を探していく。ただ、昨今「ググり力」なるものが言われているように学力のない、あるいは知識のない人間がこれを使おうとしてもどうにもどういったキーワードで検索すればよいのかわからない。そういった場合はまず指導教員にどういった先行研究があるか論文を数本紹介してもらい、その論文のリファレンスや、多くの論文には「キーワード」なるものが附されているのでそれを基に検索していく、という方法がおすすめである。

Mendeley Web Importer の使い方

さて、今回はもう既に論文を見つけたということにしよう。

ジャーナルページ(Chrome)

ジャーナルでArticleの本文が表示されているページに飛んだら、Chrome 拡張の右上の”M”のMendeleyのボタンをクリックする。

Mendeley Chrome 拡張をクリックしたときに出てくるポップアップ

するとこんなWindowが出てくるのでダウンロード・追加しておきたい論文にチェックを入れて、さらにフォルダで整理しているならばそのフォルダを選択し、Addをクリックする。PDFが必要ないならAdd PDFs if available のチェックを外す。リスト一番上が基本的に閲覧中の論文だが、他はリファレンスにある論文であることが多い。

すると論文がMendeleyに追加される。Windows/mac/Linux 自体のMendeleyを起動し、Syncボタンを押して同期をしよう。

するとダウンロードが始まったりしてしばらく時間がかかる。一番下のプログレスバーの動きが止まったら終わった頃合いだ。これで追加が終わった。この調子で参考文献に挙げる論文をすべてもれなく追加していく。

論文執筆開始! – MS word におけるMendeleyの使い方

さて、ここまでMendeleyの使い方と、参考文献の追加について述べてきたがいよいよ論文執筆のときである。

Microsoft Word を開き、論文を書き始めよう。

そして様々なところで文献を引用する場面が出てくるはずだ。例えば背景(Introduction)では慣れないうちは基本的に一文一文すべての事実についてファクトチェックを行い、その事実が記載された文献をその都度引用したほうがいい。自明だ、なんてことについても自明でない場合も多々あるのでできる限り引用することが望ましい(ただいくらなんでも数百年前の論文まで引用する必要はないが、常識をわきまえた程度で)。

引用をするとき、(kim et al., 2020) や [1] のように記すことがあると思うが、あれをいちいち手打ちしていたら大変である。特に理工系で多いのが[1]の番号によるリファレンスであるが、番号がずれようものなら発狂である。(あれを手打ちでやってる研究者もいるが、正直どうかしている。ミス誘発の原因なのでやめるべき。TeXにも文献管理のプラグイン等はあるのでそれを使用しよう)

Mendeleyはそこを自動でやってくれる機能がある。ジャーナルのスタイルにあわせてあとからその形式を変更することも可能だ。

本文中に引用を行う

では早速使い方を見てみよう。

入れたい場所にカーソルをおいて、リボンの「参考資料」からMendeleyの箇所を見つける。Insert Citation をクリックすると

このようなウィンドウが出てくるのでこのウィンドウで引用したい文献を検索する。

引用したい論文を選択して「OK」をクリックすると追加される。複数の文献を同時に追加するときは一度に検索して引用する。基本的に複数の文献を引用する場合は”;”で繋ぐ場合が多い。

細かいことだが、本文と引用の間には半角スペースを入れる。

このように引用がされる。これはAPAという規格、フォーマットで引用してあるが学校側、あるいはジャーナルによってフォーマットが指定されている場合はそれに合わせて引用する必要がある。

Mendeley でジャーナルごとのフォーマットを変更する

“Style”の部分で変更することが可能だが、ない場合は追加する必要がある。Style → More Styles… をクリックすると以下のようなウィンドウが出てくる。

Get More Styles のタブを開き、検索欄にジャーナルなどの名前を入力するとそのフォーマットが出てくる。

インストールすると「Installed」のタブに追加されている。

Use this Style でWordの方に追加される。

これでフォーマットの変更が完了した。

参考文献リストを末尾に追加する

このような手順で論文を書いていき、引用を行っていく。ただ、当然ながら論文の最後に「参考文献リスト」「引用文献リスト」なるものを追加しなくてはならない。ここでは統一されたフォーマットで記される必要があり、それは分野によってもまちまちである。Mendeley では必要に応じてそれを柔軟に自動で変更してくれるのでその機能を利用しよう。

さて、具体的な使い方だが、参考文献リストを挿入したい場所にカーソルを置いた状態で、

Insert Bibliography をクリックする。そうするとその場所に、

このように参考文献リストが追加される。そしてこのリストは引用を追加するたびに自動的に更新・追加してくれるので大変便利である。

こんな感じでじゃんじゃん追加していこう。

おわりに

卒論・修論の時期になって初めて論文を書く、という人が大多数である。そして論文の書き方を教育をしている大学は聞かない。レポートの書き方は習うだろうが、レポートと論文とではフォーマットが違うため書き方も異なる。

幸い、ネット上に様々な論文の書き方が載っているし、本もいくつか出ているので目を通しておくだけでもだいぶ論文の出来が違ってくるだろう。

今回は参考文献リストの作り方について焦点を絞って解説したが、Word限定のものであり、TeXなどではまた違ったやり方がある。色々自分で試してみるといいだろうし、そのためにはできる限り早く論文を書き始めることが重要だ。

追記: TeXにおける引用

このように、TeXでもMendeley を有効活用する方法があるようだ。

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